2014年4月27日のNHKスペシャル
調査報告 女性たちの貧困 ~"新たな連鎖"の衝撃~
が、貧困の本質的な原因や脱出方法に触れていないとして批判されているようです。 
TVを所有していない歴31年目の私ですが、NHKアーカイブスで見てみようと思っています(問い合わせてみたところ、本日18時から公開予定とのことです)。

TVメディアは、生活保護抑制を明確に企んでいるのでしょうか? 
もしかすると、そうなのかもしれません。 
でも、それ以上に思い当たる可能性は、「当事者や問題が見えていない」ということです。
目の前にまぎれもない生活困窮者がいて貧困に由来する問題を抱えていても気付かず、したがって支援の必要性も感じず、取材はしても報道する必要性を感じない。そういうメンタリティの問題であるのではないかという気がしています。
もしそうなのであれば、噂される「メディア・スクラム」よりも、さらに深刻というべきではないでしょうか。

そしてそのメンタリティは、リーマンショック以後、あるいは生活保護バッシング以後に始まったわけではなく、もっと以前から存在した可能性があります。
困窮状態に陥った人が救われないことを問題とした番組は、水島宏明さんの「母さんが死んだ」(1987年)以後、どれだけ制作されているのでしょうか?
人はさまざまな理由で、簡単に困窮状態に陥ります。そこで救われにくいこと、具体的にいえば生活保護を受けられないことは、非常に深刻な問題なのですけれども。


2007年11月21日のmixi日記より。
夕方、調剤薬局で調剤を待っていた時、偶然見た民放の番組についてのメモ。
2007年11月21日21:08
(略)
さて、今日はたまたまちらっと見たお店のTVで、某地方の交通違反の取りしまりの様子を放映していました(民放)。ぶつけて逃走したり、酔っ払い運転したりしたら、そりゃあいけませんがな。 
だけど、 
「仕事がなくて(その地方はホントに深刻に仕事がない)、家賃が払えなくなって、子ども二人を車に乗せて車上生活している」 
という男性が、他の車にぶつけて(正面じゃないけど)逃走して警察に見つかって起訴される……という様子を追っておいて、その親子三人の生活に何の関心も向けずに「はい次」というのは、なんだかなぁ。 
私がどちらかというとTV嫌いになってから、もう20年以上の時間が経ってるけど、なんか最近、見ると呆然とすることが多いっす。もはや、好き嫌いの対象にすらなりませんわ……。
現に、住まいがなく学校にも通えていない子どもたちがいるというのに。その子どもたちの父親は深刻な困窮状態にあるのに。だから、逃走しなくてはという強いモチベーションが働いたのでしょうに(逃走してしまえばいいと言いたいわけではありません)。そんなことには、全く触れられなかったのです。
カメラは、子どもたちの姿まで捉えていたのに。

いまどきのTVメディアの苦しい事情は理解しているつもりです。
でも未だに、思い返してみて「これはないだろう」と思っています。