STAP細胞問題に関する現在の考えをメモしておきます。
- 何が問題なのか
問題は、中心人物であるOさんの出身大学での教育・学位審査と理化学研究所での採用プロセスの二点に尽きていると思います。その他は正直なところ、私にとってはどうでもいい話です。 - これから、どう議論されるべきなのか
何がどのように行われたのかは、既にかなり明らかになっています。
議論は「その世界が抱えている構造的な問題がどのように影響して、このような問題が起こったのか」「組織の運営体制がどのようなものであり、どういう問題があったのか」「どうすれば再発を防止できるか」に移るべき段階だと思います。 - Oさん個人について
弁護団もいるし、しかるべき治療も受けているようだし、味方もあちこちにいるようだし、今はあまり心配していません。先日の会見の動画をちらっと見て、思ったより元気そうだったので安心しました。研究者としての今後の可能性については厳しい見方をせざるを得ませんが、生き延びてキャリアを展開していく道は他にも数多くあるでしょう。
Oさん、元気でね。 - これから注意すべきこと
過度の一般化が行われないように、研究業界や研究マネジメントにあたる人々を注意深く監視すべきだと思っています。不正の可能性を監視すべき、と言いたいのではありません。その逆です。
「研究者というものは不正をやらかすものである」「厳しく監視すれば不正は起こらない」といった短絡的な発想による管理強化が、既に始まっているという話を聞いています。
今回の出来事は非常に衝撃的でした。関わった研究者たち個人にも、マネジメント体制にも、マネジメントを行っていた人々にも問題はあったでしょう。でも、真面目に真っ当に研究を続けてきた研究者や管理者まで「一罰百戒」として巻き込むべきではありません。