私、元気に見えますし、けっこう元気ではあるんです。
しかし、これでも精神障害者(手帳は2級) で、
統合失調症という持病を持っております。
統合失調症の症状って、妄想のように派手な陽性症状と呼ばれるものと、
地味でわかりにくい陰性症状と呼ばれるものがあり、
私の場合は、ここ10年程度、ほぼ陰性症状のみです。
まあ、コントロールに成功している部類ではあるでしょう。

とはいえ、この陰性症状が結構厄介なんです。
「ウツっぽい」「注意散漫」「易疲労感」
 といったものが中心です。
薬が効く人や、効く場面もありますが、
私の陰性症状に対しては、薬はほとんど効果がありません。 
さらに、これらの陰性症状は、冬に出やすい傾向があります。
これは日照量と関係があると思うので、
なるべく午前中に外出して太陽光線を浴びるようにしています。
とにかく、症状は陽性でも陰性でも
「出る前に予防する」
が一番です。
でも、そういう注意を払っていても、
大きな精神的ストレスがかかると
……はい 、今年は出ちゃいました。

今回、「まあまあ復調したかな」といえるまでの、
激ウツと回復の記録です。



●2013年11月中旬


悪化の引き金となった問題Aと問題B(Aより派生)が、
日本南西部方面で発生。


この時の症状は以下のとおり。 

- 口の中がザラザラした感じ。食事の味がしない。
-安眠できない。夜間に何回も目が覚める。
-不安焦燥感。
-身体全体のこわばり感。
-血圧上昇(ふだん、125/80 mmHg 程度だったのが、150/110 mmHg  程度に)
-意欲低下。猫の食事の世話や16歳の猫への注射・皮下補液もしたくなくなる。
 (注射・皮下補液は、どうしてもやる気のない日に数回サボったが、
  幸いに16歳の猫は今日も元気)
-充分な食物繊維を摂っているのに便秘気味に

対策として

-味を感じなくても食事を定期的に摂る
-それ以上の悪化を防ぐために、睡眠を確保する

を実行。
また、直後、問題Aについてのみだが、

-長年お世話になっている障害者運動家
-障害者団体の人権擁護部門
-かかりつけ精神科のソーシャルワーカーと精神科医

に相談。
事態が最悪の進展をした場合にどうなるか、
その最悪の進展に対してどういう対策ができるか、
ざっくりとではあるが、考えることができた。
さらに精神科ソーシャルワーカーのアドバイスで
障害者の人権問題に詳しいX弁護士に相談予約をした。
藤岡毅弁護士には、ふだん、非常にお世話になっておりますが、
X弁護士は藤岡弁護士ではありません。



この時期、仕事は穴を開けずにできていた。
しかしこの時期から昨日まで、ほぼ毎日飲酒。
酒量も結構なもの。
一日あたり平均で、日本酒換算1.5~3合くらいか。

●2013年11月下旬 

-高知・松山に出張(2泊3日)
-大阪に出張(1泊2日)

身体のこわばり感や疲労感の背後に身体疾患が隠れている可能性を考慮し、
関節リウマチ専門医(かかりつけ)を受診。
身体疾患の可能性は否定された。 
しかし、不安焦燥感は、さらに増大。
睡眠が充分にとれない状況も深刻に。
睡眠がとれていない上に、
生活保護法改正案・生活困窮者自立支援法案が
衆院に(参院先議のため)。
疲労とストレスでフラフラに。
酒量はさらに増す。

高知出張時、気分転換目的で、温水プールで泳いだ。
2年ぶりのこと。
身体が暖まったので布団をかけずにうたた寝していたら、
風邪を引いた。
数日後には気管支炎に。



●2013年12月上旬

-X弁護士に相談(「法テラス」利用のため無料)。
 問題Aの進展の可能性と、
 進展それぞれへの対策の可能性を検討。
 問題Aについては、傾向と対策らしきものがひとまずは判明した状況。
 
-別の知人のアドバイスで、日本南西部方面のY弁護士にも相談予約。
-改正生活保護法・生活困窮者自立支援法、成立。
-沖縄出張(2泊3日、那覇・恩納) 

気管支炎は治らず。
ひどい咳と痰が続く。
うつ気分、疲労感、不安焦燥感、さらに激しくなる。
便秘と激しい下痢を繰り返す状態に。
仕事はできていたが、日に日に疲労感が増していった。
沖縄出張、先送りできるのだったら行かなかったと思う。

●2013年12月中旬 

-問題Aが解消したとカモフラージュする目的かも? と見るべき問題Cが発生。
 問題C自体は面倒かつ長期化しそうではあるが、深刻な問題ではない。
 しかし問題Cにより、問題Aから派生した問題Bが表面化。

-石垣島出張(3泊4日、石垣島・竹富島)

うつ気分、疲労感、不安焦燥感で泣きたいくらいだった。
しかし、諸般の事情で先送りができず、行ってくることに。
便秘と下痢の繰り返しは継続。

-精神科に通院

気管支炎も見ていただいた(内科併設)。
処方された薬で、ようやく少しずつ快方に。

この時期も仕事はできていたが、
疲労が蓄積してきており、
能率は非常に低下していた。



●2013年12月下旬


-年末の締め切りラッシュ
-12月30日、自分の誕生日で友人たちが来て家飲み

疲労消耗感、不安焦燥感が激しくなる。 
仕事が遅れがちになる。
便通は、ほとんど下痢。
ときどきトイレが間に合わず、毎日のように大量の洗濯をすることに。
(うちの洗濯機に簡易乾燥機能があってよかった)

風邪はほぼ治癒。

●2014年1月上旬 

-「緊張の糸が切れた」 というべき脱力状態に。
-一方で、長年の懸念Nが解消方面へと向かう。
 喜ぶべきことではある。
 しかし、これでさらに脱力。
-夜、酔って友人たちに電話して、
 問題Aとについての不安と恐怖を語って泣き叫んだことが
 何度かあったらしい(記憶にない)。
-酒量、さらに増える。
 多い日は、日本酒換算で5合くらい。
-血圧は 125/90 mm Hg 程度になる。収縮期血圧がなかなか復旧しない。
-インフルエンザ予防接種を受けたところ、
 注射した箇所が腫れ上がった。
 病院に行くヒマもなく放置していたら、10日ほどで収まる。

激しい疲労感でいっぱい。
朝起きたら、すでに疲労困憊している感じ。
便秘が続く。浣腸を使わなければ排便できない状態に。
充分な食物繊維を摂っているはずなのに、便はごく少量。
仕事がどうしてもできない状態に陥り、
新年早々、「生活保護のリアル」を2回休載。
とにかく、
食事・睡眠・入浴(身体を洗いたくなくても浴槽にお湯を張って浸かる)を
確保。

●2014年1月中旬

-漫画家のさいきまこさんと大阪出張。
 非常に密度の高いスケジュールだったが、
 さいきさんという得難い仲間と一緒の2泊3日で、
 かなり心身ともに回復した。


-問題AとBについて、日本南西部のY弁護士に相談(有料:正規の相談代金で)。
 Bについては明快な解決の道が見えた。
-年明け初めての精神科受診。
 状況をかかりつけ精神科医に報告。
-血圧はほぼ復旧。125/80 mmHg 程度。

Y弁護士に相談した翌朝から、便通は正常化。
その後3日くらい、スポン、スポンと面白いように出た。
「薄皮をはぐように」という感じで
ウツ気分や不安感が薄れていく。
不安の根源である問題Aと問題Cは対処も解決も困難なので、
不安「感」だけ薄くなっても無意味かもしれないが、
不安「感」が薄くなれば、冷静にタフに対処することが容易になるから、
強い不安感を抱えているよりはマシなのだと思う。

●まとめ

-優先順位を、
 猫ともどもの生存>生活>仕事
 とした。
 結果として、仕事のほとんども含めて、ほぼ全部を守れた。
 この優先順位付けは正解だったと思う。

-早期に、身体の問題である可能性を考慮して
 リウマチ科を受診した判断は、非常に正しかったと思う。
 「リウマチが悪化しているのかも、その他の病気があるのかも」
 という懸念から早期に解放された。

-認知心理療法に1980年代(伊藤順康先生による)から馴染んでいたことは、
 かなり力になったと思う。
 ノート一冊(あるいは紙一枚)とペンがあれば、いつでも誰でもどこでもできる。
 お勧め。

類書たくさんありますけど、このセットが最良だと思います。


-信頼できる人々が周囲に、それもさまざまな分野に
 (政治・法律・精神医療・障害者運動・近所の居酒屋など)
 数多くいてくれたことは、本当に力になった。
 具体的に何かできることがなくても、
 話を聴いてもらうだけでもありがたかった。
 特に、長期化する見込みが強い問題Cについては、
 今後も、話を聴いてくれる友人たちの存在が
 最大の力になると思われる。

-自分で問題の切り分けを行い、
 「この部分は……さんに」
 と、各方面のさまざまな方々に相談を行えたことは、
 問題AおよびBのインパクトによる激ウツからの早期脱却に対し、
 非常に有効だったと思う。
 現在のかかりつけ精神科には復数のソーシャルワーカーがいて、
 そちらに一任してしまうことも可能ではあったのだけれども、
 あくまで、自分が主体となって解決の方向性を探ることができたことで、
 この問題によって自己肯定感を低めさせられずに済んだと思う。

-重圧に耐え切れないときに悲鳴をあげられたことは、
 結果として、問題を少しでもこじらせないことにつながったと思う。
 「酔って深夜に覚えてない電話を」のずっと手前で、
 自覚して悲鳴をあげていれば、もっとよかった。

●課題

-カウンセラーを全く利用しなかったことは問題だと思う。
 行く元気もなかったからなのだけど、
 そこまで消耗する前に、
 早めにカウンセラーのところにも行っておくべきだった。

-生活面での負荷は、もっと減らせたし、減らすべきだった。
 たとえばヘルパー派遣時間数を増やし、
 ふだんお願いしていないこと(料理など)もお願いするなど。 

-ふだんから仲間・友人に対して、
 愚痴をいう習慣をつけておくべきだった。
 少しぐらいは、言ってもいいのだと思うし、
 嫌われない愚痴の言い方というのもありそうだし。

-解決できるのは問題Bのみ。
 それだけでも、早急に、今週中にでも解決しておく。

-このような問題が発生する状況自体が問題なのだが、
 なにしろ、相手あること。
 「問題AとCが最悪の方向に向かう」
 という前提をおき、
 早期に問題A・問題Cそのものから
 離れることも視野に入れる必要がある。
 どんなに急いでも2年はかかるのだが。
 

-最後には生活保護があるし、
 生活保護を使って逆転できる可能性も(まだ、たぶん)あるんだから、
 それを信じてヤケにならずに生きていかないと、ね。