●2014年2月19日

午前中はシャワーを浴びたのみ。ぐてっとしていました。
前日からウツっぽくて熱っぽくて、なんとも、やる気が出ないのです。
でも体温は36.0℃あたりを推移。発熱しているわけでもないし。謎。

この日は、NYC在住のタケダさん(仮名)一家と昼食をともにする約束をしていました。
40代のタケダさん夫妻は長年、日本の出版業界で働いていましたが、自分たちのキャリア構築・日本の出版業界の未来・一人娘ミズホちゃん(11歳)の教育などを考えた結果、5年前に「一家で渡米する」という選択をしました。
12時すぎ、 タケダさん一家がホテルにやってきました。バスに乗り、ハーレムへ。
途中、低所得層向けに過去に行われたニューヨーク市の住宅政策の名残を見て撮影しつつ(日本の都営・区営住宅のようなものです) 、「最低賃金を上げろ!」という街頭アピールに行き当たって責任者に自己紹介して名刺交換をして撮影させていただいたりなどしつつ、一家が特別な日に利用するレストラン「Red Rooster」へ。ミートボール、マカロニグラタン、サラダ、ナマズ料理などを楽しみました(タケダさん、ごちそうさまでした!)。
 
この後タケダさん(夫)とともに、現在のニューヨーク市の住宅政策の一環でもある、低所得層向けアパートメントへ。
米国ではアポなし飛び込み取材は比較的歓迎されやすいのですが、ここは昨年2月に飛び込み取材を試みて断られました。
今回は改めて、アポを取って伺ったわけです。
直接担当しているNPO(ニューヨーク市から委託を受けている)の広報担当者と現場の責任者の方に案内していただき、お話を聞かせていただきました。もう、絶句・仰天の連続です。この取材に関しては、日本の低所得層向け住宅政策の問題とからめて連載「生活保護のリアル」で記事化する予定ですが、聞いてぶったまげた話を一言だけ紹介しておきます。
「私たちは市から、貧困を減らすために業務委託を受けています。だからホームレスを見つけること、ホームレスに住宅を提供することが、私たちの義務です(広報担当者談)」
何にぶったまげたか。
「貧困を減らす=貧困状態にある人を貧困でなくする」
なんですよね。
極東のどこかの国みたいに
「貧困を減らす=貧困状態にある人を不可視化する」
とか
「貧困を減らす=貧困の定義を変えて貧困状態にある人がいないことにする」
とかではなくて。
その住宅というのも、私も住みたくなるような素敵な個室(キッチン・風呂・トイレつき)なのです。日本の、どこか嫌がらせめいた、ヘンな規則だらけの公設シェルターのようなものではなく。
ホームレスを対象として、優先的に、そのような誰もが羨むような住宅を提供するには、もちろん背景や理由があります。ニューヨーク市やNPOのポリシーがあります。それは、そうしない場合に起こってしまう多様な問題を回避するためのものでもあります。
貧困・路上生活者・生活保護についてよく知らない日本人はしばしば、
「そういう人たちは、集めて、ぼろっちい専用住宅に住ませて(公共の)住居コストを下げればいい」
とか主張するわけですけれども、そういう政策は問題が多いわけです。ニューヨーク市は、過去にそういう方針で取り組んで苦い経験をしたので、現在は方針を転換しているというわけです。
極東のどこかの国でも、やればできないわけはないことばかりです。そんなに莫大な予算規模が必要な話でもないし。だいたい、ほとんどの場合はアパートメントを新規建造しているわけではないから、東京オリンピックのために新しい施設を作るのに比べれば驚くほどお金のかからない話だし。
このあたり、詳細にレポートしたいのですが、記事化までしばしお待ちを。
私の英語力を補ってくださったタケダさん、ありがとうございました。

夜は、デリで惣菜とビールを買って帰り、持ち帰らせてもらったお昼のマカロニグラタン・サラダで夕食に。そしてバタンキュー。明日は帰国です。
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