今日は、生活保護に関する記者会見取材のため、厚労省内の厚生労働記者会に行って来ました。

いつも厚労省前では、さまざまな抗議運動が繰り広げられています。
このところ、秘密保護法に解雇規制緩和、もちろん生活保護法改悪、数多くの抗議すべき動きがあります。
だから抗議運動も盛んです。
もちろん私も、その多くには「抗議すべき」と思っています。
でも、立ち止まりません。笑いかけられても無表情を通します。ビラを差し出されても受け取りません。

私はなぜ、立ち止まって理解を示すそぶりをしなくてはならないのでしょうか。
私はなぜ、笑いかけられて、にっこり笑い返さなくてはならないのでしょうか。
私はなぜ、差し出されたビラを受け取らなくてはならないのでしょうか。

私に向けられる態度や笑顔は、たいていの場合、私の「女性の障害者」という見た目に反応しています。
私の前や後ろを通る背広姿の男性に対する態度とは全く違います。
私は、いわゆる「左翼的」な活動に対する理解、「いのち」「生活」といったキーワードへの共感を、暗に陽に求められていると感じます。私が車椅子に乗っている女性だからでしょう。
私は、親しみやすく共感的な態度を示すことを、暗に陽に求められていると感じます。これもまた、私が車椅子に乗っている女性だからでしょう。
私は、善意・好意と称して差し出されるものを、受け取ることを求められています。もちろん、私が車椅子に乗っている女性だからでしょう。
それがイヤなのです。

相手の活動が何であれ、相手の意見がどうであれ、私の身体は「女性障害者差別」に反応します。
そこで反応してしまったら、それ以上、相手と接触することはできません。
私は、ことさらに怖い表情を作ります。
私は、話しかけられても笑いかけられても表情を動かしません。
私は、差し出されるビラを受け取りません。目の前に突き出される場合には特に。

こちらから見れば、相手はニッコリ笑いながら、私の顔を傷つける位置に紙を突き出しているのです。
ニッコリ笑いながら攻撃。
私の身体は、これをイジメであると認識します。
私でなくても、拒否反応を示すのが正常な人間でしょう。
私は、人間として正常な反応をしてはいけないんですか?

そして、その人々をかきわけて厚労省に入ったからといって、一息つけるわけではないのです。
そこはそこで、私の生存や生活や活動の維持を脅かす動きの主戦場なんですから。



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生活保護法改正案・生活困窮者自立支援法案は、明日にも衆院で可決されて成立する可能性が高いと見られています。
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今日からでも遅くはありません。勉強をはじめましょう。

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私は石原伸晃さんも、お父上の石原慎太郎さんも、まったく支持していません。
しかし、石原伸晃さんの事務所のスタッフの皆さんには、選挙のたびに感嘆しています。
その選挙区に在住している私は、よく石原さんが街頭演説されているところに通りがかるのですが、スタッフの皆さんは、一度として、私の目の前にビラを突き出したことがないんです。
腰をかがめる、あるいは膝を少し曲げるなどされ、私の手の高さにビラを差し出されます。
末端のスタッフのお一人お一人に至るまで、成人の障害者に失敬なことをされません。
少なくとも私は、石原伸晃さんの事務所の方々に失敬な扱いをされたことはありません。
素晴らしいことです。
「左」の皆さんも、こういうところは大いに見習うべきではないかと思います。

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実は私、まだ読んでいないのですが、小池議員は非常によく勉強されているので、年金に関する基本的な知識の整理という意味で期待できそうです。