ちょうど10年前の今日である2010年8月2日、猫の摩耶(当時13歳)は慢性腎不全に罹患していることが判明しました。
 しかも、いきなりクレアチニン 3.0 mg/dl 超え。病期分類では、最も重いステージ4の前、ステージ3に該当。人間のステージ5(透析)は、猫には現実的に考えにくいのです。大げさにいえば終末1歩手前。

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在りし日の摩耶と私。2014年ごろ。

 摩耶の弟分、当時12歳だった猫の悠は、2009年末から慢性腎不全(ステージ2)と甲状腺機能亢進症を患っていました。
 投薬による甲状腺ホルモンの調節になかなか成功せず、2010年夏には激しく体調を崩し、サイロイド・ストームを起こしました。獣医さんともども「夏を越せるか?」と危ぶんだ悠ですが、悠・摩耶・私の3者の協力で持ち直し、2013年3月まで生きてくれました。

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すぐに探し出せた悠の写真。2012年12月。

 悠のことでてんやわんやだった私は、摩耶の尿量が増えていることに気づいていましたが、「まあ元気そうだし」と検査を先送りにしていたのでした。そして10年前の今日、大慌てしたわけです。
 それは、2009年12月から2015年9月までの5年10ヶ月にわたる高齢猫闘病シリーズの始まりでした。
  • 慢性腎不全(悠:2009年12月~2013年3月、摩耶:2010年8月~2015年9月)
  • 甲状腺機能亢進症(悠:2009年12月~2013年3月)
  • 糖尿病(摩耶:2012年10月~2015年9月)
  • がん(悠:2013年1月~3月、摩耶:2015年8月~9月)
 大変でしたよ。あらゆる面で。でも、なんとか乗り切れました。
 私たちは、本当に幸運だったのでしょう。

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しっかり者で自己主張が激しくてアネゴ肌、でも弟たちがいないところでは甘えん坊の摩耶。

 猫たちは、医療や個々の治療行為の意味を理解し、協力的になってくれました。悠なんて、胃のムカつきが酷くて吐いてしまったとき、夜中に私を起こして薬を飲ませてほしいと依頼するほど。
 月単位、年単位で時間がかかる慢性疾患だからこその成り行きでした。
 幸せでした。大変だけど「永遠に続いてほしい」と思うほど。だって、その大変さが終わるということは、摩耶の寿命が尽きるということなのですから。

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抱っこされながら激しく自己主張する摩耶。

 摩耶は10歳を過ぎたころから、日本語の単語をしゃべるようになりました。最初は「おかか」、そして1歳下の悠と競い合うように、「ごはん」「うん」「いや」とボキャブラリーを増やしていきました。
 摩耶はなんと「k」「g」の発音までこなしましたが、「おああ」で「おかか」、「おわん」で「ごはん」と通じることを学習すると、子音を省略するようになりました。



 慢性腎不全がかなり進行した2015年5月、皮下補液・インスリン注射・投薬を受ける摩耶の動画です。派手に難色を示す摩耶ですが、口先だけ。皮下補液のための保定は不要でした。そこまで協力的になってくれていました。



 生後2ヶ月の摩耶が我が家の一員となってくれた1997年6月18日から、摩耶を見送った2015年9月9日までの18年3ヶ月を今から振り返ると、夢のように暖かく幸せな時間だったように思われます。
 この間、私には数々の苦難がありました。勤務先の上司(1997年)および訪問医療の医師(2007年)から「猫を処分しろ」と言われたりもしました。
 摩耶が亡くなった後は、近隣の「保護猫愛護原理主義」的な勢力からペットシッターさんへの圧力がかかりました。そのペットシッターさんは毅然と圧力をはねのけたのですが、そうでなかったら、私の仕事の継続は危うくなったことでしょう。

 私は結果として、摩耶(1997-2015)の18年の生涯、そして悠(1998-2013)の15年弱の生涯を、守り通すことができました。そして今は、摩耶の最後の2年半を共にした瑠(2008-)、そして摩耶の他界語にやってきた咲(2016-)・灯(2017-)の3猫と楽しく暮らしています。

 ありがとう、摩耶。
  • 我が家で使ってきた猫フーズ・サプリ・グッズ類
 摩耶の使っていた猫用サプリのうち、「必要に応じて今でも使うかな?」と思えるのは、「カリナール1」だけです。腸内のリンを吸収するサプリ。今は、摩耶の弟分の瑠(12)が使ってます。この50gパックが、だいたい猫1匹の100日分になります。

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 慢性腎不全のように緩やかに進行する病気は、長期戦になります。最初の半年か1年くらい、基本的な勉強をしておくと良いと思います。猫の身体はどういう作りで、どういう特徴を持っているのか、とか。
 しかし、良い本があまりないのです。摩耶のときもそうでしたけど、現在も。
 こちらは、買って読んでみようかなと思っている本です。


 猫の腎臓をくたびれさせないために、腸内のアンモニア発生を抑制することは重要です。だから、有用菌サプリも飲ませたほうがよいと思います。
 摩耶たちには、万田酵素の「きゃどっく」を飲ませていました。後継品が「フェルミック」という後継品が出ているようです。便の臭いをかぎながら効果を確認して使うと、量は節約できるでしょう。私もそうしていました。



 摩耶が亡くなった後、大変安価な代用品を発見しました。人間用の乾燥青汁です。
 猫に有害な材料が含まれていないのを確認のうえ、1日あたり耳かき0.5杯程度をなにかに混ぜて服用してもらうと、UNKOからアンモニア臭が漂わなくなり、効果を確認できます。残りはクリップで袋の口を止めておき、湿気ってきたら人間が青汁として飲んでしまいます。

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 摩耶が闘病していた時期は、シニア猫だけだったり、そろそろシニア食に切り替えてもよい年齢の猫がいたりしました。ドライフードは、メディファスの高齢猫用と療法食(動物病院で購入)を混合していました。理想は「療法食オンリー」かもしれませんが、猫は必ず飽きます。
 なお療法食は、かかりつけの動物病院で買いましょうね。ネット通販の若干の安さのために獣医さんとの信頼関係を壊すのは、バカらしいと思います。



 ウエットフードは水分摂取を主目的とした半嗜好品と割り切り、栄養は主にドライフードで摂ってもらってます。3匹もいると、猫の食費は家計をそれなりに圧迫しますから。
 体調を崩したときに、食べられるもののバリエーションは多い方が有利なので、あまり猫をそそりすぎない、おとなしめの味付けと風味のウェットフードをいろいろ取り混ぜて食べさせています。
 おやつは定番の「ちゅーる」「焼きかつお」「焼きささみ」あたり。毎回、1本を3つに分けてます。3匹いると、半端な食べ残しがないので助かります(何)。

 現在の我が家で愛用している猫砂は、おからが原料で固まるタイプの砂です。
 中空タイプで軽く、固まりやすく、ほどよく崩れやすいのが「ちょうどよい」という感じです。
 厚さ5cm程度を敷いておき、尿で固まった砂と便を取り除いて砂を足しながら使っていると、1週間くらいで粉状に崩れた部分が多くなってくるので補充はやめ、10日くらいで砂を総入れ替え。
 意外と長持ちします。1袋で3匹のトイレ2個に対して3週間分くらいはある感じ。
 私は生協で購入してます。