我が家では、2013年10月より、猫の摩耶(17歳11ヶ月28日)に皮下補液(1日1回)とインシュリン注射(朝夜2回)を行っています。
現在は、必要な日課であることを摩耶も理解しているので、「大げさに嫌がってみるテスト」が時々ある程度。
基本、たいへん協力的です。
ここまでのプロセスと、tipsをまとめてみることにしました。
なお、猫の在宅皮下補液療法の詳細は、
ぎゃおす王国:自宅での皮下補液
をご覧ください。私も、たいへん参考にさせていただきました。

摩耶18歳の誕生日を、無事に一緒に迎えられそうなのが、とにかく嬉しいのです。
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1.「やらねばならぬことがあるんだよ!」時代(2012年10月~11月)

インシュリン注射は一瞬で終わるので、まだやりやすいのですが、皮下補液はたいへん嫌がられました。
当初は点滴ラインを使用していましたので、時間もかかりました。
摩耶の頭にタオルをかぶせ、首周りをマジックベルトで軽く固定した上で箱に入れ、箱の中で皮下補液をしていました。
猫は目と口を塞がれると、抵抗はするものの、有効な噛み付き・猫パンチにはつながりにくいのです。
そのうちに、摩耶は「これは自分の身体にとって良いこと」と理解したので、だんだん抵抗のトーンが下がりました。
11月後半に入ると、目隠しが不要になり、ついで箱も不要になりました。

2.シリンジに切り替えて時間短縮+カウントダウンで経過を可視化(2012年12月)

このころ、ペットシッターさんの勧めもあり、点滴ではなくシリンジで注入する方法に切り替えました。
1分程度で終わるようになったため、摩耶はあまり抵抗しなくなりました。
それでも、針を刺されると「やはりイヤ」という感じになり、背中にシリンジをぶら下げたまま家の中を走り回られたこともあります。
「いつ終わるのかが読めると少しはガマンしやすいかな?」
と考え、私は残り容量のカウントダウンをするようになりました。
いつも同じ順序で出てくる
「50、40、30、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0!」
は、摩耶のツボだったようで、抵抗らしい抵抗はほとんどされなくなりました。

3.「猫肌のお燗」(2013年1月?)

ついで、私は補液剤を電子レンジで「お燗」するようになりました。
冷たい補液剤が入ってくるのは、やっぱりイヤな感じのようだったので。
500Wで13~20秒(室温による)の「お燗」で、65cc(50ccシリンジ一杯)の補液剤が、だいたい39℃程度になります。
39℃くらい、猫肌よりちょっと温かめが、摩耶の好みのようです。
お燗作戦は成功し、摩耶は皮下補液中に膝の上で「うっとり」という表情を浮かべるようになりました。

4.保定が不要に(2013年4月?)

シリンジに切り替えてからは、摩耶を膝に乗せて皮下補液を行っています。
当初はしっかり片腕で保定していたのですが、あるときから、保定しなくても逃げたり暴れたりしなくなりました。
今、暴れる素振りを見せることがあるとしたら、「お燗」のぐあいが少し気に入らない時くらいです。

5.カウントダウンから歌へ(2014年1月ごろ?)
 
カウントダウンしながら
「はい、あと30! がんばろう!」
とか言っているうちに、自然に歌ができました。
がんばろう がんばろう がんばれがんばれ 摩耶ちゃん 
がんばろう がんばろう がんばれがんばれ 摩耶ちゃん 
いい子にしてたら すぐ終わる
悪い子にしてたら 終わらない
いい子にしてたら いいことあるんだよ
がんばろう がんばろう がんばれがんばれ 摩耶ちゃん 
がんばろう がんばろう がんばれがんばれ 摩耶ちゃん 

という、極めて他愛ない歌です。
歌い終わるころに、シリンジの目盛りは概ね残り10cc程度になっているので、
「10、9、8、……、 0!」
とカウントダウンをくっつけています。 
現在はさらに
どうぶつぎゃくたい どうぶつぎゃくたい たいへんだ たいへんだ
という序曲もあり、摩耶を膝に乗せて注射針を刺すときに歌っています。
「始まり」「経過」「終わり」を摩耶が理解できるように行っていたモロモロが、今は歌になっているというわけです。

その他役に立ったこと

・行為の意味を日本語で教える 

10年以上も人間と暮らしている猫は、ある程度の日本語は理解できます。
「これガマンしたら、摩耶ちゃんは元気で楽しいことがたくさんあるんだよ」
「しないと、調子悪くなるんだよ!」
などと話しかけながら行うと、猫の方も、
「自分のためにしてくれているのは間違いないんだよね、でもやっぱり、イヤだけど」
という感じになるようです。

・レディネスを作る工夫

不意打ちは誰だってイヤでしょう。
ましてや人間に不意打ちされる猫が、平気なわけはありません。
準備を察して逃げ隠れされると困るという状況だと、不意打ちせざるを得ないのですが、少しずつでも「不意打ち」でない方法に移行できるように工夫する余地はあると思います。
工夫の細かい試行錯誤は、かつて「はてなダイアリー」に数多く記録してきていましたので、そこを見れば探し出せると思いますが、あまりにも長期に渡る大量の記録を読む気力が,、今はありません。

・始まり・経過・終わりを理解させる工夫
 
上記の「カウントダウン作戦」「歌作戦」です。

・注入の方法の工夫 

猫による違いがありそうですが、摩耶の場合は
「最初に補液剤が入ってくる瞬間」
が、どうも気持ち悪いみたいです。
なので、最初の注入は極めて低速に行い、5ccあたり(針先の周辺が補液剤で囲まれたかな?)で少し加速し、はっきり補液溜まりが出来ていると思われる10ccあたりからさらに加速し、
「温かくて気持ちいい感じが背中に広がる」
を摩耶に味わってもらうようにしています。

・協力してもらう工夫

摩耶が逃げる構えを見せていると皮下補液は非常にやりにくいので、膝の上に「伏せ」をしてもらっています。
我が家では「ちゃんとすわる」と呼んでいます。
膝の上に普通に座っている摩耶に「ちゃんとすわって」というと、伏せてくれることがあります。その時は
「ありがとう!」
と感謝して撫でたり抱きしめたりして、協力に感謝します。
時には「ちゃんとすわって」という私に、「みゃあ!」という断固たる抵抗で答えることもある摩耶ですが、
「ちゃんとすわるの!」
と言いながら、腕で前足を動かして「伏せ」をさせると、不承不承ながら「ちゃんとすわる」の姿勢を取ってくれます。

・おまけ・注射スケジュール管理の工夫 

摩耶の朝晩のインシュリン注射は、Googleカレンダーの定期イベントにしています。
摩耶の場合、1回打ち忘れたからといって命に関わる事態はまず起こりません。
しかし、既に打ったことを忘れてもう1回打ってしまうと、低血糖で命に関わることになりかねません。
打ったらすぐ、GoogleカレンダーからGmailに送られているリマインドを消し、
「はい、次は夜(翌朝)ね」
と独り言を言います。
こうして「もう朝(夜)の注射は済んだ!」を確認し、記憶するようにしているわけです。
時間をずらす必要があったら、Googleカレンダー上で変更を行えば済みます。
Gmail+Gcal

これからも、ずっとずっと、この楽しい日課が続き、さらなる洗練と発展がありますように!