報告の途中から参加しました。報告後のパネルディスカッションからメモしました。
プログラムはこちら。
【分析報告】もやいデータチームメンバー(丸山里美、上間愛、柏崎彩花、加藤茜、後藤広史)
以下、私のメモです。
●岡部今日は分析をどう読むかについて話す。
大学で社会保障論を教えている。
2010年(東京都から?)生保申請が急増しているので調査してほしいという依頼をうけて調査した。
新宿区、圧倒的に数が多かった。
都下23区も含めて、ホームレス、団体等の相談を経由して生活保護の受理決定が多い。行政の相談を経ての申請は少なかった。
支援団体、どういう方のどういう相談にどう対応しているのかが鍵。「もやい」の生活相談データ分析、非常に意味があると思う。
生保につながる/つながらない で見ることも重要だが、つながらない人、どういう理由、どういう生活のしづらさを抱えているかが問題になると思う。
制度につながるのが最もいいと思う。
いろんな資源を活用して支援していくのが必要ではないか。
生活のしづらさ、困難、課題。関係性の貧困。
もやい、港のようなもの。生保、労災などにつなぐ。どういう関係性を持っているのか、どういうつながりをもって次につなげるのか。そういうふうに見ることもできるのでは。
調査、読ませてもらったとき、非常に大きな役割の中身は何なんだと思った。
相談の分析にあたって、自分はどう読み取ったか。
基本的な問。
1.この調査はなんのためにしたのか。
2.調査で何がわかったのか。
調査には行うべき目的があるのだろうと思う。何が示したかったのか。どういう示唆が与えられるのか。
もやいがどういう団体で、どういう支援をしているのかを見る必要がある。
地域性。新宿。大都会。
時点。2014年。リーマン・ショック以後。質と量にどういう変化がらうか。
もやい。相談にきた人、相談を受けた人の両方の視点が入っている。
多岐にわたる相談項目。
調査のよいところ。居住に関するデータ、制度につながる/つながらない の両方のデータ、相談につながってまた来た人。相談→支援→アフターフォローが全部入っている。意義があると思う。
注文付けたい点。もっと政策、実践の積極的implemation の視野を入れてくれたらいいと思う。
調査、二つの側面。事実の解明、次の展開に向けた社会改良に向けた側面。後者、もっと出してほしい。最終報告にはそれを入れて欲しい。
個々の生活相談の傾向は明らかになった。もう少し、個々のアドボケイト、ソーシャルアクションの視野を出してほしい。
もやいとしては、出すべきだはないかと思う。
●大西
今回はまず実態調査。でも、ご指摘の点、やっていきたい。新宿にあるから新宿に偏りやすいという点。岡部さんとは新宿区ホームレス政策第三期でご一緒している。
次、大阪、ホームドアの川口さん。中間的就労などで新しい支援。
●川口
ホームレスからの脱出の出口をたくさん作りたい、ホームレスになること予防、ホームレス襲撃をゼロにしたい、の3つで活動をはじめた。
大阪で活動している生田さんとよく話す。カフカの階段。ホームレスになるときは少しずつ失っていく。ホームレス状態から脱出するためには一気に取り返さなくては無理。そこにも階段を作れないかと思った。いまでいう中間的就労、就労移行のポジションを担いたかった。
おっちゃんたちの得意なこと、70%くらいが自転車修理。おっちゃんたち、自転車で缶集め。壊れたら自分で修理。
そこで始めたのが「ハブチャリ」。6ヶ月間。60人ほど。50%ほど? が次の仕事に。さらに20人くらいを自転車対策で行政の依頼で受け入れて80名。生保、年金、ホームレス状態など多様。働きたければだれでも働けるように。制限はしていない。
その人の就労阻害要因を、働いてもらいながら一緒に少しずつ解決する。現場と支援が一緒になっているのが良いのではないかと思う。
特技を活かして働ける自転車修理、接客、特技を活かして働けること、いろんな人と関われるのがいいと言ってくれる。
おっちゃんたちの来るルート、市役所福祉課が多い。自立支援施設から失踪する前につないでいただけること、よいと思う。ホームページ、夜回り、働いている友達経由で来る方など。
ジェンダー、男性78人、女性2人。たまたまこうふうになっている。女性2名、シングルマザー、生保。働きたいけれどもブランクが長く、きっかけをつかみたかった。
出口づくり、夜回り活動、1-2回/月、やっている。梅田キタ周辺3コース。ホームレス経験のある当事者が中心。当事者が当事者にこえかけ。これが良いと思う。
東京、専門家が中心なのかなと思う。その視点、大阪にも持って行きたい。
もやいさんくらいのケース数、格段。私たち、現場でなんとなく感じること、分析までいかない。だから素晴らしいと思った。
女性、DV→家出→路上→声かけられて男性と同居→またDV→また路上 というケースも多い。知的障害がある人のこと。しんどい思いをしてまで生保受けたくないという声。公的支援より路上がマシという人、ときどきいる。そうなってしまう制度、なんだろうと思う。公的支援、今後どうあるべきかにつながると思う。
つなげていければいいと思う。
●大西
支援が難しいとされる人。現場感覚をどうデータ化出来るか。
これからの話。
制度につながらない、支援が継続しない人の問題。どうでしょう?
当初、データを分析するという視点がなかったので、背景、状況、今後の希望、聴いている。でも記録していない。だからデータとるの大変だった
●加藤
本当だろうかという疑いは残っている。「けんかした」「CWがひどい」、ほんとかなと。その人がトラブルのきっかけであったり、CWは話をきく姿勢あったかもしれないのに、と。でも当事者の声でしか分からない。
●後藤
制度につながらない、申請に至らない人。理由、大きく4つ。
1. そもそも要件をみたしていない。
2. いったん施設に入る必要、家族への連絡などを説明されて引く
3. 相談者との関係
4. 障害などのために相談ができない
多くの場合、望まない形で制度を利用している人が多い。
岡部先生の話。新宿、申請者、相談者がついていくと申請しやすい。
貧困ビジネスがついていって、本人が望まないのに申請している場合もある。
こちらはあくまで、利用者から見た分析。
●大西
健康状態の悪い人が多かったことについて。診断書持ってない、手帳とれてない障害は?
●柏崎
データ化にあたって、疾病の訴えどうしたか。通院歴だけではなく、足が痛い・眠れない・めまいなどの不調も含んでデータとして扱うことにした。足が痛い・腰が痛いという訴え、多かった。相談側の「不調」は聞けていると思う。
必ずしも疾病について聞いているわけではないが、なんらかの疾病を持っている方はもっと多いと思う。
●大西
本人の主張、手帳のない障害、診断以前の不調。それを明らかにできたことは一歩。
●上間
(聞き取れず)
●大西
社会化、ソーシャルアクションへの一歩。
第一歩として実態を明らかに。
女性の問題など制度の間にある人の問題、他の調査ともやいの調査の違いは?
●丸山
大きな意義の一つ、制度につながらない人の特徴を明らかにした。分析不十分。調査は継続中なので、これから深めていかないと。制度につながった/つながらない、それぞれの特徴、分析してない。そこは不十分だと思う。
大きかったのは加藤さんの分析。生活保護リピーター層。1/3。その人達の特徴、リーマンショック後に間口が広がったけれども、生保、安定した生活を続けること、意外に難しい。それがわかったこと、成果だと思う。
●岡部
制度に人を合わせるのではなく、人に制度をあわせるようになってないのが最大の問題。生保、廃止理由ダントツは死亡と居所不明。
生保、スティグマ。正しい情報が伝わっていない。金銭、時間、健康、依存症など、生活がなかなかしづらい人たちが生保。
制度が不十分。人に合わせるように制度を変えていくべし。
●大西
これを受けて、どう支援するかがNPOの仕事だと思う。
●川口
今、路上の方からの相談。ほとんどが「仕事がしたい」。でも住居を構えてもらわないと、家無しで働くのは、ただの金稼ぎ。家があって暮らせてということでないと、生きがい、働きがいにならない。でも行政はイヤ、生保はイヤという。そこに難しさを感じる。
制度につながらない人の特徴、早急に分析して欲しい。最終報告楽しみ。
●特別報告:赤石千衣子
メール相談随時、電話相談週イチ、会員のML。もやいほどの相談数はない。
DV、モラハラ、どうしたらいいかという相談多い。
保育所に入れない相談も最近多い。保育所に預けられないと仕事につけない。求職中のシングルマザー、ポイント低い。託児所付きのヤクルト、夜の仕事が多い。
困窮状態でもとりあえず家はある。お米を送り、はげます。場合によっては生保を案内することも。
生活がきつくて虐待を疑われている、うつ病、経済的困難+子どもが発達障害、というケースも。人数が少ない。本当に困っている人にはパーソナル・サポートを提供。
生保が5年、7年になっている方も。働く希望があっても動き出せてない人多い。そういう人には伴走支援的に、事務所で手伝ってもらうことも。
今回の結果。シングル女性に「もやい」の情報が届きつつあるのかなと思う。少し違う出口なのかなとも思う。
引きこもりの方の困難。そういう層はアクセスがないのかな。今、男女共同参画センターが「ガールズ講座」など。世田谷、仙台、さいたまでも。なかなか情報が届かないために、つながる人少ない問題。
最近、ほんの少数だけど、風俗で働いていて「その先を考えたい」というシングルマザーの相談も。風俗女性のセカンドキャリアを支援するNPOを紹介。おしゃれ度がないと相談しないのかな? もやいのおしゃれ度はなかなか上がらないと思う。他団体と提携を。
情報が届きにくい人たちへの情報提供、大事だと思う。女性たちもアクセスしやすくなる、外のいろんな団体と連携することもいいのかなと思う。
●大西
丸山さん、お話を。
●丸山
男女の違いがわかったところ、大きかった。
女性の貧困の内容が明らかになりつつある。
もやいにも来ていない人、もちろんいる。貧困とみなされない人、家庭にいる女性。
女性の抱えている困難を説明するのに、「貧困」、十分ではない。
貧困概念を、もう少し広げて考えなくてはならないのではないかと思う。
シングルマザー、(?)、「ジェンダー」でつながっている。
夫、父親の庇護のもとにいれば経済的には貧困にはならないけれども、という問題。
●大西
いろんな宿題を抱えた。もやい、2001年発足。当時、24時間ネットカフェなかった。2004年、住み込み派遣。時代とともに、貧困のありかたは変化している。その間、相談支援。さまざまな提言。制度もネカフェ規制など対策している。でも制度に人をあわせるところから変わっているのかどうか。
かつてあった問題、時代とともに変わる要素、複合。「貧困って」が語りにくくなっている。でも深刻化。どういう対策、提言をしていくのか。家にいる女性、家にお金があっても貧困。なのに世帯レベルでは貧困ではない。
NPOの現場で、実際に困窮した人、実態に遭った支援、なんだろうと思う。政策を動かすために、もっとデータを作って、アクションにつなげていきたい。
継続的に、次の視点、分析のヴィジョン、具体的にどう次につなげていくのか。もやいとして、政策提言につづけていきたい。
今日はここまで。今後とも、よろしくお願いします。
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