知らない間に、熱中症に罹っていたらしいです」の続きです。
まず、「熱中症か?」 と気づいてからの経過を簡単にまとめておきます(詳細は上記エントリに)。

●発症まで
車椅子使用のため、東京での日中の外出は可能な限り避けていた。
車椅子使用者やベビーカーの赤ちゃんは、身体周辺の気温平均が、アメダスの気温+5℃程度になる。
ふだんから要注意、要警戒。
特に私は、ふだん介助者や家族がいる生活をしているわけではなく、ひとり親家庭の二(猫)児を抱えたシングルマザーみたいなもの。
自分が倒れたら猫たちが大変なことになる。
というわけで、夏場の体調管理には、ものすごーく、ものすごーく、気をつけていたのに……。

●2014年8月3日~8月5日の経過
  • 2014年8月3日
起床時の血圧が 155/105 mmHg と高かったことから異常に気づく。
体温は38.7℃(平熱は35.8℃程度) 。
病院に行くかどうか迷ったが、病院に行くための外出もしたくないほど倦怠感が強かったし、その日は日曜日。
水分を積極的に摂取、解熱剤(バファリン2錠)+葛根湯を飲んで、
「解熱剤がまったく効果なかったり、体温がさらに上昇して39.0℃を超えるようだったら、躊躇なく休日外来を受信する」
という方針のもと、なるべくゴロゴロして過ごした。
解熱剤には若干の効果はあったが、体温は37.8℃までしか下がらず。
汗が出なくなっていることに気づく。
  • 2014年8月4日 
起床時の血圧は 135/85 mmHg、体温は37.5℃。
体温、一日を通して、37.5℃~38.0℃の範囲。 
朝から福祉事務所への付き添い・自分の精神科通院・取材などを行い、夜半に帰宅。 気分は悪くなかった。
  • 2014年8月5日
起床時の血圧は125/80 mmHg 程度と正常化。
体温は36.8℃~37.4℃の範囲。
食欲がない。ひどい倦怠感(8/3よりも強い倦怠感)あり。
夕方になって喘鳴。脱水傾向にあると考え、スポーツドリンクをコンビニで買ってがぶ飲みするも、汗は出なかった。

●2014年8月6日~2014年8月14日の経過(ここから本題)
  • 2014年8月6日
血圧は、体温が低いときに 120/80 mmHg 程度、体温が高いときに 140/90 mmHg 程度。
体温は36.5℃~37.5℃程度の範囲に。
まだ倦怠感は残っているけれども、 日常の60%程度のペースで仕事ができた。
  • 2014年8月7日~8月10日
血圧は、体温が低いときに 120/80 mmHg 程度、体温が高いときに 140/90 mmHg 程度。
体温は36.4℃~37.8℃程度の範囲。
ちょっと外に出て高気温に当たると体調がおかしくなり、体温が高くなる感じ。
水分補給は心がけているけれども、汗は相変わらず出ない。
そんな8月9日夕方、猫の摩耶(17歳)を定期検査に連れて行く。
結果が極めて良好で嬉しかった。
「猫たちのケアのためにも、自分の身体は大事にしないと」と思った。
なにしろ獣医さんを除くと、摩耶に皮下補液できる人間は私しかいないのだから。
  • 2014年8月11日
この日は都心部で友人とランチ、その後打ち合わせが予定されていた。
午前中、まだ気温が比較的低いうち(それでも30℃は超えていた)に、可能な限りの暑気対策を行って外出。
湿らせた帽子をかぶり、冷却マフラーを首筋に巻き、車椅子にスポーツドリンク1リットルを装備。
家を出るときに体温を測った。36.8℃程度。まあ外出を控えるほどではないかと判断して外に出た。
この日から発汗が回復。
あまりにも私が美味そうにゴクゴクと水を飲むものだから、打ち合わせ先のクライアントさんがミネラルウォーターのボトルをたくさん下さった。感謝。
夕方帰宅した後、体温を測ってみると37.4℃。
日常的な体調に戻ってきたかなあという実感あり。
  • 2014年8月12日~13日
13日締め切りの論文に取り組んでいて、体調はあまり気にしていなかった。
食欲が極度に減退していたのは、たぶん熱中症ではなくて論文のせいだと思う。
8月13日、喘鳴がひどく、激しい咳を繰り返しつつも、論文をなんとかエントリー。
水分の代謝がまだ正常化していない可能性は考えつつ、論文提出祝いに、友人と飲んだくれた。
  • 2014年8月14日
やや倦怠感あり。
体温36.8℃、血圧 145/90 mmHg。
脈拍は 60 mmHg なので、血圧が高めであることと体温の関係は薄いのではないかと思う。
喘鳴は続いている。まだ水分その他の代謝が正常化していない可能性が高いかな。
明日は病院に行こうっと。

●結論1:熱中症は怖いです(あたりまえ)

今回、50歳にして、生まれて始めて熱中症に罹ったわけです。
私の理解では
「高温などのストレスによって、体温調整にかかわるものを中心に、身体の恒常性維持機能に異常が発生する病気」
です。
少なくとも、体温調整機能と水分代謝機能に問題が発生しているわけです。どちらが原因でどちらが結果なのかは良くわかりませんが。
水分の代謝に問題が発生しているということは、その他の恒常性維持機能にも問題が発生していると考えるべきかと思います。
乳幼児や高齢者が熱中症を引き金として容易に死に至ってしまう背景が、よくわかりました。
体温が上がったことが問題なのなら、下げれば済む話です。水分が不足しているなら、皮下補液などで緊急に補給すれば済む話です。
でも「生き物としての身体の機能が壊れた」という状態は、そんな対症療法では回復しません。
まだ50歳、障害者であることを除くと異様に健康で元気で体力が有り余っている私でさえ、10日以上経過してまだ回復しきってないわけです。
乳幼児や高齢者だったら、同じ症状から死に至ってしまっても、それほど不思議ではない感じがします。

●結論2:熱中症が疑われたら、さっさと病院に行きましょう!(あたりまえ)

発症後、仕事だ論文だ何だかだで今に至るも病院に行ってないわけなんですけど、これは大変まずいと思います。どういう種類の異常が起こっているか(起こっていないのか)、血液検査すれば、かなりのことが一発で分かるわけですから。
皆さん、私みたいにチンタラと様子見してはいけません。必ず、必ず、病院に行ってください!
生活保護を利用している方の場合、
(後記:休日や夜間に医療機関を受診するとしたら、交通費の問題が発生するわけですが)
「38.5℃以上の発熱があり、熱中症の症状らしきものが何かしらある」
という状況だったら、もう躊躇なく 救急車呼んでいいと思いますよ。
救急車の乗務員に生活保護を利用していること・帰りの交通費の問題があるからあまり遠くに搬送しないでほしいことを話せば、可能な限り、その範囲で医療機関を見つけてもらえるはずです。
もちろん、緊急時であっても、
「福祉事務所に連絡して医療券と移送費をお願いする」
という段階を踏むほうが良いのですが、生命の危険から脱することの方が先だと思うのです。 

●後記

2014年8月15日、血圧 125/80 mmHg、体温 36.1 ℃。
ほぼ復調したようです。 
この日、総合病院に行きましたが、検査の必要は特にないだろうということで、そのまま様子見となりました。 

●さらに後記

2014年8月22日、暑い場所に行くと即座にダラダラ発汗するように。
体温調整機能が完全に復調したようです。