私に睡眠障害の傾向が現れてきたのは9歳ごろだったでしょうか。私は、寝付きが極度に悪い子どもになっていました。
当時の実家では、ダイニング・キッチンの隣の部屋に、子ども用の二段ベッドが置かれていました。その間を隔てていたのは、ふすま一枚でした。眠れなかった私は、母親が父親にさまざまな「大人の話」をするのを聞いてしまうことになりました。その中には、私に関する話もたくさんありました。今でもその恐怖をまざまざと思い出すことができます。ありもしない私の悪意、言ってもいない父親に対する悪口、やってもいない問題行動……といったものが母親の口からは次々と出てきて、父親はそれを「うん、そうか」などと聞いているのです。
それがきっかけで不眠になったのか、もともと寝付きの悪かった傾向が増幅されただけなのかは、はっきりしません。ただ私は「夜中に親が自分のことをどう話しているか」を考えただけで恐怖を覚えて寝つきにくい、という問題を抱えるようになっていました。「話す」「思う」だけならいいのですが、それが次にどういう行動に結びつくのか。考えただけで寒気がすることばかりでした。実家が増築されて親の近くで寝る必要がなくなっても、実家を離れても、その恐怖は続きました。ただの思い込みや思いすごしではなく、裏付けとなる現実が続いていた以上、恐怖を捨てるわけにはいきませんでした。

私は28歳くらいから睡眠導入剤を常用するようになりましたが、今にして思えば、問題の解決にはなっていませんでした。「焼け石に水」程度の効果はありましたが、「焼け石に水」でしかありませんでした。
私の睡眠の状況は、2012年ごろから顕著に改善してきました。2012年、母方祖母が98歳で亡くなったことをきっかけとして、血縁者との関係にはさまざまな変化がありました。その中で、私は両親に対して
「いつか自分も他のきょうだい同様に愛されたり認められたりすることがありうる」
という期待を、完全に捨ててしまうことができました。それで、劇的に睡眠状況が改善したのでした。両親との間に一触即発の状況が続いており、自分に「潰される」リスクが続いていることは、現在も大きくは変わりませんが。

まずは、

睡眠を妨げている具体的な問題があるのなら、それに正面から立ち向かい、何らかの見通しや方針を立てる

が重要であるということになります。

他に、私が試してみて効果あったものは

・頭寒足熱

足元に湯たんぽ(冬季)、頭に氷枕。

・眠りを誘う音楽

YouTubeに数多くアップロードされています。自分に適したものを見つけることは、どなたにも可能かと。

・適切なタイミングでの向精神薬利用

入眠予定の2時間前にメジャートランキライザーを、入眠直前に即効性のある「ソラナックス」などを利用するようにしています。

・入眠直前にPCやスマホの画面を見ない

我が家では、私がベッドに入ると猫が寄ってきます。猫と遊んでやったり撫でてやったりしているうちに、自然に眠りに落ちている感じです。自動的に猫とのスキンシップタイムとなり、PCやスマホは見ない状態で就眠前の30分程度を過ごしています。

ご参考になれば幸いです。