佐村河内守氏または新垣隆氏作の曲の数々、
「感動的、すばらしい」
と勧められて、ちょっと聴いてみたことが何回かあります。
「うーん、私にはちょっと」
が正直なところでした。
良し悪しを判断する以前の問題です。あまりにも退屈で聴き続けられなかったんです。
ところどころ、魅力的な音型や魅力的な和声進行があるんですけど、1分連続して聴いていると、
「あ、もういいや、さて、耳直しに何を聴こうかな」
という感じになります。
私はクラシック音楽が幼少時から非常に好きで、高校3年の1学期までは音楽系への進学を考えていたくらいです。
その後、第一次バンドブームのちょっと前、時代の流れに乗ってバンドでキーボード弾いてたこともあります。ハードロックでもヘヴィメタでもプログレでも、わりと器用にこなしていたので、よくバンドの助っ人に呼ばれてました。ジャズは苦手でしたけど。
でも一番「性に合う」のはクラシックなんです。
2002年、私はお金と時間を無理やり調達してフランスまで飛んでいき、ドビュッシーのオペラ「ペレアスとメリザンド」の初演100周年記念公演を、100周年のその日、100年前に初演が行われた劇場に行って聴きました。たぶん私は、ドビュッシー研究者を除いて、日本一「ペレアス」に詳しいんじゃないかと思います。高校生のときにハマり、小遣い数カ月分貯めこんでスコアを入手、楽曲分析して、当時だれも報告してなかったライトモティーフをいくつか見つけました。そのノート、たぶんウチのなかのどこかにまだあります。
今でも、ポツポツとですけど、作曲の勉強は続けています。作曲家になりたいとか作品を世に問いたいとかいうわけではなく、自分に欠かせない基礎教養、基礎体力の確保という感じです。
「クラシックの現代音楽」という、なんだか形容矛盾したジャンルの音楽も大好きですよ。中学生のときに武満徹にハマり、それ以後ずっと。今でも、その「クラシックの現代音楽」の作曲家の方々のうち数名と親交があり、初演を聴かせていただくようなこともときどきあります。
で。
今回の騒動で改めて、YouTubeで聴いてみたんですが。
やっぱり退屈。
やっぱり聴き続けられない。
部分的には魅力を感じる箇所もあるんだけど。
皆さん、なぜ聴けたんでしょうか? 私の感性がそんなにネジ曲がってるってこともないと思うんですけど?
内心同じことを思っておられる皆さん。
同じ「クラシックの現代音楽」の括りで、耳直しにふさわしい曲をいくつか推薦します。
メシアンも武満徹も過去の人?
では現在存命中・活動中の作曲家の「クラシックの現代音楽」をどうぞ。
新垣隆さん。
まだお若いんですし、正統な作曲の教育を受けておられるようですし、まだまだ将来の可能性があると思っています。
いつか私に
「退屈で聴かれん!」
と言ったことを後悔させるような作品を、ぜひ生み出してください。
いろいろな経験を、作品に昇華して、仕事で結果を出してください。
期待しています。皮肉じゃないです。本気です。
<後記>
その後、新垣隆氏がゴーストライティングしたのではない、ご本人名義で発表された曲の演奏をいくつか聴いてみたんですが、あまり印象は変わりませんでした。
佐村河内守氏名義で発表された曲より、若干は好感を持てたかな……という感じはしましたが。
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